鎌倉さんぽ 「一条恵観山荘」
「一条恵観山荘」いちじょうえかんさんそう、と読みます。
実はずっと以前から気になっていて、いつか行ってみたいと思っていたところなんです。
ようやく念願叶って、本日、訪れることができました。
「わいわい」と観光客で賑やかな鎌倉駅の喧騒からどんどん離れて、次第に穏やかなムードが広がる「朝比奈」方面へと向かいます。
大通りはたくさんの車が「ブンブン」と行き交い、小さな歩道を歩いていかないとちょっと危ない通り。
この辺りは「杉本寺」や「報国寺」、「浄妙寺」に「旧華頂宮邸」など、有名な歴史的建造物が溢れている、お寺好きにはたまらないステキなエリアでもある。
あっちこっち「キョロキョロ」しながら、「浄妙寺」を左手に見て通り過ぎたあたり、ちょうどアドレスは浄明寺、先の右手に見えてくる。
正面の門構えは、風情ある雰囲気をたっぷりと醸し出している。
「ワクワク」胸が高鳴ります。
拝観料500円をお支払いして、いざ、出陣。
「一条恵観山荘」とは、約380年前、後陽成天皇の第九皇子であった一条恵観が築いた山荘。
公家の好みが見事に盛り込まれ、雅な趣向とこだわりが配された建物は、鎌倉にありながら京都を体感することのできる、数少ない空間なんだそう。
庭園に一歩足を踏み入れた瞬間から、京都の香りが「ふわり」と漂い、建造物の雅やかな意匠に圧倒される。
「ぴーーチュチュピッピッピッピ」
「チーキッキッキ」
小鳥の囀りは耳障りな音ではないものの、あちらこちらから聞こえてくる。
「チョロチョロチョロ」優しく流れる小川や小さな滝の音、「さーーささーーさー」背の高い木々が揺らぐ音、自然が紡ぎ出すたくさんの音たちが私を癒してくれるのです。
大通りから少し入っただけなのに、周りはむせかえるような緑に溢れ、一気に鎌倉の大自然の中に放り込まれたような、原風景の中に佇んでいる自分を感じる。
この頃、忙しない日々に飲まれ、こんなに穏やかな気持ちになれること、忘れていた気がする。
あぁ、こういう時間って、とっても大切だったよね…そう思わせてくれる場所でした。
園内のところどころには、大小様々な形の鉢やつくばいに季節のお花を浮かべた花手水を見つけることができます。
そのお花たちはうんと鮮やかで綺麗、とてもチャーミング。
思わずパシャパシャとカメラに収めたくなります。
なんでも、関東では珍しい水占いというものが受付で販売されていて、水を張ったつくばいに紙を浸すと文字が浮かび上がるんだとか。
お気に入りの花手水を見つけて、浸してみるなんて楽しいですよね。
私ったら、すっかり見逃してしまいました…。
残念!次回は必ずチャレンジしたい。
庭園内にある重要文化財建造物「一条恵観山荘」の中は残念ながら見学はできませんでしたが、少し離れたところから見ることもできますし、限定公開しているので予約をすればちゃんと中に入ることも可能。
「カフェ楊梅亭」土日のみオープンしているので、上生菓子とお抹茶をいただきながら、鎌倉の原風景に身も心も委ねてみてはいかがでしょう。
京都へトリップ、ステキな庭園散策に癒やされますよ。