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鎌倉トリップ 「安国論寺」

鎌倉市大町にある安国論寺。

静かな住宅地の一角にあり、その佇まいは「控えめに堂々」としています。

美しく整えられた樹々と自然の谷戸が溶け合って、とても穏やかで落ち着くお寺です。

足を踏み入れると、山門周辺の雰囲気などから想像していた規模をはるかに超える広さで、驚きました。

御礼所の箱に拝観料を入れ、「境内霊場案内」を手に進んでいきます・・・

 

安国論寺は日蓮宗の寺院で、創建は建長5年(1253年)です。

その年、安房から鎌倉に入った日蓮上人が、「松葉が谷」に来て初めて草庵を結んだところの一つです。

日蓮上人はこの場所を拠点に、小町大路(辻説法通り)周辺で布教活動を行いながら、約20年の時をこの地で過ごしました。

その間にここで「立正安国論」を著して前執権・北条時頼に建白しました。

日蓮上人は他宗派や幕府によってたび重なる迫害や法難を受けていましたが、この立正安国論に反感をもつ人々によって庵が襲われました。(松葉が谷の法難)

その際に、避難した「南面窟(なんめんくつ)」が安国論寺の裏山にあります。

このように安国論寺は教科書や小説に出てくる日蓮の人生に大きく関わる舞台だったのです。

 

「境内霊場案内」の順路通りに進むと、「富士見台登口」というものが出てきます。

ここは日蓮上人が富士山に向かって毎日法華経を唱えたと伝わる場所です。

今日は薄曇りで残念ながら富士山は見えませんでしたが、充分な癒しを得て、清らかな気持ちで順路を進むことが出来ました。

鎌倉には安国論寺の他にも、日蓮上人の松葉が谷草庵跡といわれる長勝寺と妙法寺(いずれも鎌倉市大町)がありますが、どのお寺からも富士山が望めるそうです。

厳かな雰囲気と心地よさを併せ持つ安国論寺、

考えごとをしたいときにまたふらりと来たいな、と思います。

安国論寺の山門

大きな石灯籠

境内には大きな石灯籠が全部で9基あります。かつては増上寺にあった、徳川家のものとのことです。

正岡子規の歌碑

「鎌倉の松葉が谷の道の辺に法を説きたる日蓮大菩薩」 この歌は歌集『竹之里歌」に鎌倉懐古の題で詠んだ中の一首。

丁寧に設えられた参道が本堂へと続いています

本堂

立正安国論の碑

立正安国論はこの御小庵の奥の岩屋で著されました

富士見台登口

かなりの急勾配です。歩きやすい履物でお越しください。

日蓮上人を思う

次は春に来ようかな・・
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