鎌倉トリップ「本覚寺」
鎌倉七福神のひとつ、えびす様を祀る日朝上人ゆかりのお寺です。
鎌倉のお寺というと、緑に囲まれて厳かな空気が漂っているイメージが強いですが、本覚寺はというと・・
鎌倉駅に向かう近所の住人が、本覚寺の境内を「近道」として通りぬけたりしています。
広々と開けていて、なんだかとてもオープン。
実は私も、通り抜け組。いつもお世話になっております(笑)
境内に入ると、「しーん」としたなんとなく気持ちの良い空気となにより「空が広い」。
背筋を延ばし、真っ青な空を見上げて「今日も頑張ろう!」と思える。
行ってみないと分からないこの感覚、是非皆様にも味わっていただきたいです。
山門から、本覚寺境内に入ってみましょう。
両側に仁王像を配した山門(仁王門)は、現存の建物中で一番古く江戸時代に創建されたものです。
境内に入ると真正面に堂々とした本堂が見えます。
この大きさ、写真では伝えきれないのが残念、、
本覚寺の独特の空気感はこの大きな本堂に守られているような気持ちからくるのかな。
視界には屋根と空だけ。この画角、最高ですよ。
仁王門のすぐ右手にあるのが夷堂、その歴史は源頼朝の時代にさかのぼります。
鎌倉幕府のとってこの本覚寺夷堂の方位は裏鬼門という不吉な方角にあたるということで、頼朝が七福神のひとつである夷神を守り神として祀ったとされています。
佐渡流罪から鎌倉に戻った日蓮聖人がこの夷堂に滞在し、また開基の日出上人がここで布教をしたという由緒あるところです。
現在の建物は昭和56年に再建されたものですが、恵比寿さまは鎌倉七福神のひとつとして、今も多くのひとの信仰を集めています。
本堂の向かって右手には祖師分骨堂があります。
日蓮宗始まりの地である鎌倉にいる多くの日蓮信者のためにと、身延山の久遠寺にあった日蓮聖人の遺骨を分骨したため、「東身延」とも呼ばれます。
本覚寺で、プロアマカメラマンの姿をよく目にしますが、その目的の一つがこの分骨堂の前の枝垂れ桜です。
まだソメイヨシノが花開く前に満開を迎えるこの桜は枝ぶりも見事で、一見の価値あり、です。
また社務所近くサルスベリは樹齢100年を超え、毎年9月頃にその見ごろを迎えるそうです。
鎌倉で唯一、人形供養を行っている本覚寺。毎年10月の第一日曜日に納められた数百体の人形が静かに焚き上げられます。
お正月には紅白の提灯が仁王門や境内を飾り、初えびすでは福娘さんが甘酒を振る舞い、大変な賑わいを見せる。
四季折々の表情を見せる本覚寺。駅からも近いので鎌倉観光のついでに是非立ち寄ってみてください。