鎌倉さんぽ 「鎌倉十井 銚子の井」
「鎌倉十井」とは。
古く昔から鎌倉では良質の水は重宝されてきました。
その鎌倉の井戸の中で美味しい水、伝説の残る井戸が10ヶ所、「鎌倉十井」として残されています。
さて、材木座の「六角の井」に続き、2度目に訪れた井戸は、大町にある「長勝寺」にほど近い「銚子の井」。
地図を頼りにキョロキョロ。
確かこの辺りのはずだけれど…。
「長勝寺」から逗子方面に向かう先、小さな美容室前の掲示板の下に「十井之一銚子井」と書かれた古い石柱を発見。
その細い路地の先を恐る恐る進んでゆく。
すると、石の蓋を乗せたこじんまりした井戸が。
これはまた見逃してしまいそうな。
でも宝探しみたいでちょっと「ワクワク」。
見つけた瞬間、「あった!」と思わず一人でテンションが上がってしまいます。
井戸の全体の形が石で作られており、井戸枠の端、水の流れ出る部分がお銚子の口に似ていたため「銚子ノ井」と呼ばれるんだそう。
蓋の形や材質から「石ノ井」との別称もあるようです。
この先を更に少し線路沿いにいくと、100mと離れていない場所に日蓮乞水(にちれんこいみず)と呼ばれる「鎌倉五名水」のひとつもあるようです。
今でこそ家が建ち並び、両方の井戸は離れているように感じますが、昔は相接していたのかな、とも思わせる場所。
これらのことから、このあたりは良質の水が出る地域だったと思われますね。
なるほど〜、とても興味深い。
私は鎌倉生まれではありませんが、幼き頃祖母宅を訪れると台所には、通常の蛇口の他に、別のところに備わる蛇口がありました。
そこを捻るとそれはそれは冷たいお水が出てきたのを記憶しています。
母が、「これは井戸水やからね。お水しかでえへんよ。」
そう私に教えてくれました。
子供心に何故かとても不思議な蛇口で、確実に水しか出てこない、食器洗いには不向き、夏でもひんやりしている、ことから、特別な視点で見ていたなぁと想い出します。
懐かしい。
我が家にはそんな不思議はなくて、ちょっとした憧れがあったのかもしれません。
井戸ってすごく神秘的。