鎌倉トリップ「宝善院」
鎌倉市腰越5丁目にある「宝善院」。
腰越の海から10~15分ほど歩いた静かな住宅地の中、海のそばの小高い山裾にある真言宗のお寺さん。
海と山と双方の静けさを持っているので、とても穏やかな空気感が漂っているのが魅力。
腰越の町を走っていますと、私の目の前に、パッと現れまして。
細長く伸びた参道の先に佇む、風情ある山門。
山門の両サイドに掲げられた提灯には、大きく書かれた「宝善院」の文字。
なんだかかわいらしくて、とっても好感が持てる。
「すぅ」っと引き込まれていくかのように山門をくぐります。
「宝善院」という名は院号で、山号寺号は加持山霊山寺、泰澄山瑠璃光寺と2つずつあります。
開山は泰澄(たいちょう)。
「越の大徳」(越前(福井)・越中(富山)・越後(新潟)で並ぶ者のいないほどの徳の高い僧)とよばれ、加賀の白山を開いた人物でもある。
泰澄は、信仰していた「十一面観音像」をこの地に祀った。
それが宝善院のはじまり。
泰澄は、江ノ島神社や龍口明神社などにも籠もり修行したんだそう。
境内はとても丁寧にお手入れされていて、小さくまとまった心地よい空間。
本尊の『薬師如来』は聖徳太子の作、『十一面観音坐像』は平安中期の作とされ、鎌倉最古の十一面観音像なんだとか。
残念ながら、こちらは拝観することが叶いませんでした。
住宅地の細い路地からからは想像もつかない「宝善院」。
実は、訪問するべきか否か、悩んでいたのですが。
気づいたら、いつのまにか導かれておりました。
不思議…。
でも訪れられて良かった。
とても落ち着きと趣きのある、すてきなお寺だったから。
まだ風がひんやりと冷たい日だったけれど。
梅の蕾がぷっくりふくらんで、もう今にも咲くよ~、と春の訪れを感じさせてくれ、幸せな気持ちになりました。
ありがとうございます。