江ノ電 「鎌倉」駅
今では藤沢と鎌倉を結ぶ湘南を代表とする江ノ電。
僅か10キロほどの距離を繋ぐ短い鉄道であるが、その存在価値は高く、歴史と多くの江ノ電ユーザーの愛満ち溢れる電車です。
連日押し寄せる観光客の方々は江ノ電に乗車するため、わざわざ藤沢駅を下車し鎌倉駅に向かう方も多いのです。
一般的な駅の位置付けとして、江ノ電の起点は鎌倉駅と思われがちであるが、実際は藤沢駅です。
上りが藤沢駅、下りが鎌倉駅となります。
1910年(明治43年)、若宮大路沿いに「小町」という後の鎌倉駅が開業します。
大正期に2度の移転を経て、3代目となる現在の鎌倉駅ができました。
鎌倉駅は小町通りの足元にあり、下車後にはすぐに観光できる立地です。
小町通りは観光スポットではありますが、歴史ある鎌倉において、その町並みは現代っぽく少し悲しい気持ちになります。
しかし、あの風景で過ごしてきた我々は、たまにあの通りに入るだけで懐かしさが蘇ります。
江ノ電に乗り鎌倉に下り、小町通りの入口に立つことで幼き頃が走馬灯のように駆け巡り、鎌倉に育てられたのだと実感してしまいます。
やはり江ノ電を含め、沢山愛が詰まっているのだと感じます。
今ではJR横須賀線を利用して鎌倉に来る方も多いですが、是非江ノ電の魅力を味わっていただきたいです。
国道134号線から見える江ノ電とは全く異なる魅力に溢れています。
また、若宮大路の風景も素晴らしく、段葛が鎌倉時代からの古都の雰囲気を醸し出します。
両側に植えてある木は四季の変化美しく、参道としての存在感に圧倒されてしまいます。
日中の若宮大路は歩く方も多いと思いますが、夜の若宮大路が個人的にはオススメです。
正直なところ、夜の鎌倉の方が鎌倉らしいと感じる場面もあります。
ライトアップされた若宮大路の雰囲気は、タイムスリップしたかの様な感覚になりますし、人気なく店も閉じ切った小町通りさえ時代の流れを痛感させられます。
そんな雰囲気と江ノ電の緑の車体や、「コトコト」と走るあのキュートさが、パズルのピースかの如く絶妙なはまり具合を感じます。
やはり、江ノ電でなければ鎌倉には馴染むことは出来ないのだろうと思わされるばかりです。
多くの方に感じてほしい鎌倉ですが、なかなかに駐車ができないのが難点です。
車はいつも満車状態で、駐車料金は高い。
車での渋滞は避けられませんし、そこがデメリットとして挙げられるでしょう。
そんな時には是非江ノ電での旅にしてみてはいかがでしょうか。