「鎌倉七口」 って知っていますか。
源頼朝が鎌倉に幕府を開いた大きな理由は、南は海、北東西の三方を山に囲まれ、敵の侵入を防ぎやすい地形だったからと言われています。
物資などを運搬するためには大きく迂回するよりもこの山を切り開いたほうが都合がいい。そうしてできた道が「切通(きりとおし)」です。
鎌倉にはその切通が7つあるので「鎌倉七口」
(「化粧坂」「名越切通」「大仏切通」「極楽寺坂切通」「朝夷奈切通」「亀ヶ谷坂」「巨福呂坂」)
その中でもタイムスリップした感覚ナンバーワンが「大仏切通」」です。
国指定史跡に指定されている由緒ある場所ですが、「隠れ名所」とか「知る人ぞ知る」とか、
華やかな観光地とはだいぶかけ離れた形容詞がたくさんついています。
所在地をざっくり説明しますと「鎌倉市笛田6丁目の山奥」
入口は笛田6丁目の住宅地か、大仏隧道(大仏坂トンネル)横の階段です。
今回は笛田の住宅地より大仏切通を目指します。
鎌倉駅から藤沢駅行きのバスに乗り「火の見下」バス停を降りたところが入口。
看板がなかったら「ここでいいの?」の不安がぬぐえないかも。
でも住宅地を入りどんどん狭くなる路地を進んでいくと、徐々に周囲の空気が変わってきて、森の入り口にでます。
道なき道、ではなく轍(わだち)となっている先人の足跡を辿っていくと、なかなかの急斜面が。
階段状になっているので頑張って登ると・・・
現れました!
目の前には「何時代?」という光景が広がり、「うわ~!」と口が勝手に言葉を発していました。
なぜかワクワクした嬉しい気持ちが沸き起こり、口元はにんまり。
いわゆる「絶景」を目にしたとき、ヒトはみんなこうなるのでしょうか。
「ザ・切通」と言えるポイントはその周辺のみで、後は普通の山道になります。
木々や茂みの隙間から、眼科に県道32号(藤沢鎌倉線)の大仏隧道入口あたりが見えて我に返った私。
さっき「何時代?」と思い、いま鳥の声を聞きながら木々の緑の中を進んでいる私、気分的には「鎌倉時代のひと」でしたが、
文明はすぐそこでした (笑)
そのまま道なりに進み、トンネルの横の長ーい階段を降りて現代人に戻りましたとさ。
めでたしめでたし。
【切通シリーズ、こちらもご覧ください】
化粧坂 https://r-studio-kamakura.jp/rstyle/11929