鎌倉トリップ「鎌倉広町緑地」
鎌倉広町緑地とは、鎌倉市南西部、腰越地域に位置する、都市林。
その昔、都市開発によって、かまくらの緑はどんどん失われてゆく。
それに待ったをかけるがごとく、鎌倉市は三大緑地とよばれる、「広町緑地・台峯緑地・常盤山緑地」を法的に保全する取り組みを行います。
そのおかげでなんとか貴重な緑を保ち、「山と海の自然と人・歴史が共生する鎌倉」を目指している。
そのひとつである「広町緑地」。
七里ガ浜から腰越にかけて続く、総面積48.1ヘクタール(東京ドーム約10個分の広さ)の緑地で三大緑地の中で一番規模が大きい。
「広町緑地」は「広町の森」としてたくさんの散策路が設けられ、わりと手軽に歩ける、ハイキングコースとして親しまれています。
高台からは、「富士山」や「相模湾」が望めるスポットもあり、鎌倉の山好きさんにはとてもおすすめ。
綺麗に整備されているので、小さな子供たちも気楽に登れるうえ、人も少なく登りやすいのもいい。
御所入口から七里ガ浜にも抜けられるので、帰りは江ノ電、なんてのも良い。
チョコチョコと枝から枝へと飛び移る台湾リス。
耳を澄ますと、どこからともなく聞こえる「ホーホー、ホーホー」フクロウの声。
動物たちの息遣いを感じると、とても嬉しくなる。
谷戸ではかつての里山が再現され、田んぼや湧き水が流れ込む小さな池もあり、ザリガニやカエル、トンボ、たくさんの水辺の生き物も生息しているんです。
6、7月になると、私も必ず何度か足を運ぶ。
その理由は、ゲンジホタルとヘイケボタルが現れるから。
田舎うまれの私は、ぼんやりと美しい黄緑色の光が、乱舞している様を毎年のように見てきて、蛍と共存してきたといっても過言ではないほど、蛍の光が大好き。
あの幻想的な光は言葉にならいほど美しく、心の明かりも灯してくれるんです。
あの光を誰かと共有すると、深い絆ができたような感覚にも陥いる。
不思議な不思議な。
そしてとても素敵な時間。
是非一度は体感してみてください!
他にも、「広町緑地」の里山では、年間を通して様々なイベントが行われています。
植樹、田植え、苗植え、昆虫観察会、染め教室、稲刈り、収穫祭、野鳥観察会‥などなど、書ききれないほどたくさん。
このご時世、都会ではなかなか味わえないような体験ができるのも貴重なチャンスですよね。
全ては経験ですね。
ぬかるみに足を取られるのも、手で優ーしくお芋の周りを掘りながら進むことも。
経験して初めて知る。
季節が変わるごとに訪れて、木々の色合いの変化や、生物たちの生活に触れる。
こんな素敵なこと、そんじょそこらじゃ体験できないものです。
あ、ちなみに大切に守られている場所なので、植物や生き物はお持ち帰りは厳禁ですよ。
棒にタコ糸を吊るし、先にはあたりめをつけて水辺に垂らすと…
これはこれは面白いほどザリガニがよく釣れるけれど、帰りにはきちんとおうちに戻しましょう。
あれだけのザリガニが、バケツに一杯になった様は圧巻、貴重な画。
鎌倉の大切な緑地。
地球が私たちに与えてくれた自然。
これからもずっと大切にしていきたいものです。
自然よ、ありがとう。