鎌倉トリップ「妙本寺」
「鎌倉駅から10分と離れていないのに、なんだろうこの静寂は、、」
初めて妙本寺を訪れた時の感動は今でもよく覚えている。
このお寺の存在感と静寂、豊かな緑と涼しい風。
以来このお寺には事あるごとに足を運ぶようになった。
妙本寺は、日蓮聖人を開山に仰ぐ、日蓮宗最古の寺院。
開基は、比企能員の末子で、順徳天皇に仕えた儒学者比企大学三郎能本。
この地は比企能員一族が住む谷戸(やと)であったところから「比企(ひきが)谷(やつ)」と呼ばれている。
建仁3年(1203年)権力保持を目論む北条一族によって滅ぼされた比企一族ですが、まだ幼少で京都にいたため生き延びた比企大学三郎能本が、鎌倉の町に立って生命がけの布教をされている日蓮聖人に出会い、「わが一族の菩提を弔って下さるのは、このお聖人しかいない!」と決心し、自分の屋敷を日蓮聖人に献上したのが妙本寺の始まりです。
総門をくぐり、山に向かって奥へ奥へと進んでいく。
視界から建物が消え、緑に包まれた細い坂道をぐんぐん登っていくと、周囲の空気が変わっていくのがわかる。
「ひんやり」とした空気は、猛暑の8月でも私たちを涼しさを届けてくれる。
ちなみにこの細い坂道、かつては「ビブリア古書堂の事件手帖」というドラマのロケ地になっていて
あるはずのないバス停が突然現れた時には本当に驚いた。(撮影セットでした・・)
坂の途中から始まる階段の上には朱色が鮮やかな二天門がある。
二天門には立派な龍の彫り物があり、この門を前にして手をたたくと、門に反響する音が龍の鳴き声に聞こえるそうで、さっそく手を叩いてみた。
・・・龍の鳴き声、こんな感じ?
二天門をくぐると、正面に見えるは鎌倉最大級の木造建築・祖師堂。
その堂々とした佇まい、圧巻です。
左手には大きな日蓮聖人像、慈悲深い表情で見守ってくれています。
妙本寺は、植生に手を加えすぎないように注意しながら境内を整えているそうです。
春には桜と海棠(かいどう)で境内をピンク色に染め、初夏には敷地内の至る所に咲く紫陽花とノウゼンカズラが見事です。
これほどまでに美しいお寺ですが、混雑とは無縁です。
少しお時間のある時に、妙本寺の静寂に包まれに行ってみてください。
涼しい風に吹かれ、最高のリラックスタイムになることと思います。