鎌倉トリップ 「宝戒寺」
鎌倉で一番メジャーな寺社と言えば、「鶴岡八幡宮」ではないでしょうか。
その鶴岡八幡宮のほど近くにひっそりと在るのが「宝戒寺」です。
鎌倉幕府元執権(第14代)の北条高時は、元弘3年(1333)新田義貞の軍に追い詰められて葛西ヶ谷(かさいがやつ・宝戒寺の裏山)の東勝寺で自害、一族郎党870余名も運命を共にし、鎌倉幕府は滅亡しました。
宝戒寺は、北条高時の慰霊のため、その屋敷跡に後醍醐天皇が建立したとされています。
余談ですが、「東勝寺跡」も行くことが出来ますが、ちょっとゾクゾクする場所のようです。
霊感ゼロの私でもその場をすぐに立ち去りたくなるような、何とも言えない心境になりました。
宝戒寺は、最近ではこの史実以上に「鎌倉江の島七福神の毘沙門天様をお祀りしているお寺」として親しまれています。
宝戒寺は本堂内にあがりご本尊を間近でお参りすることができます。
毘沙門天様もこの本堂内にありました。(撮影はNGです・・)
境内には本堂のほかに小さな3つのおどうがあります。
入口から近い順に「聖徳太子堂」→「徳崇大権現堂」→「大聖歓喜天堂」です。
この「大聖歓喜天堂」には宝戒寺の秘仏である「大聖歓喜双身天王」(歓喜天・聖天様)が祀られています。
川端康成の妻は自ら聖天信者を名乗り、ノーベル賞受賞前に足しげく参詣していたそうです。
また宝戒寺は花や樹々を存分に楽しむことができるお寺でもあります。
「萩寺」の別名のとおり、萩はもちろんのこと
春には白木蓮、桜、無患子(むくろじ)
夏には睡蓮や百日紅(さるすべり)
秋には酔芙蓉(すいふよう)、萩、彼岸花
冬には水仙、椿、蝋梅(ろうばい)、梅
などなど、いつ訪れても目に鮮やかな色彩と風情で、私たちの目を楽しませてくれます。
宝戒寺の裏手には、滑川がゆったりと流れ、由比ガ浜まで続きます。鎌倉ならではの古都のたたずまいと、由緒ある文化の香りが感じられ景色です。
宝戒寺橋から眺める滑川の四季折々の景観と静寂は、時の流れや世の煩わしさをしばし忘れさせてくれます。
「清々しい風が流れ、心が洗われる」そんなお寺でした。
鶴岡八幡宮まで足を運ばれた方は是非こちらにもお立ち寄りください。