江ノ電 「由比ヶ浜」駅
江ノ電「鎌倉」駅から2駅目。
今回ご紹介するのは、ほかの駅と違わず住宅街の中にこぢんまりと佇む「由比ヶ浜」駅です。
鎌倉駅から乗車すること3分。
「コトコト」と心地よいゆれに身をまかせてウトウト……な~んてする間もなくついてしまうのがこちらの駅です。
小さくてなんだかかわいいホーム、江ノ電グリーンの駅名標、近所の家から聞こえる生活の音など、レトロな風情にぎゅっと心を掴まれる人も多いのではないでしょうか。
開業したのは1907年(明治40年)。
その少し前、1884年(明治17年)に医師だった長与専斎が「海水浴場として理想的な海である」と紹介し、「由比ヶ浜」が海水浴場として広く知られるようになりました。
その「由比ガ浜海水浴場」までは駅から徒歩6分なので、駅名の由来はここにありそうですね。
この一帯は、歴史的に大変興味深い場所で、鎌倉時代は御家人同士の激戦地だったり、処刑場があったり、明治の初期までは火葬場があったりした場所。
そのため、今でも土地を発掘すると人骨がざっくざくでてくるそう。
2016年、「由比ヶ浜」駅のすぐ裏手の場所に公共施設を建設する際、発掘調査をしたところたくさんの人骨が発見されたことは、ご近所に住む方なら記憶に新しい人も多いと思います。
と書くと、「えぇぇぇ!!!」と驚く方も多いかもしれませんが、どこに住んでいようが少なからず過去にそういう歴史がある土地は多いと思います。
今現在も、そうやって連綿と続いてきた歴史の一部。
新しく楽しい歴史を紡いでいけばいいだけのこと。
そう思えばな~んにも怖がることなんてないんです。
現に、そこに住まう人も観光に訪れる人も「ニコニコ」「ワハハ」といい笑顔をして、その地を楽しんでいますから。
改札を出て右手に向かうと到着する「由比ヶ浜通り」には、カフェやカレー屋、雑貨屋などがひしめき、「鎌倉文学館」「吉屋信子記念館」といった観光地も近く、穴場なお店もあったりして散策するには楽しい場所。
海へ行くなら、改札を出て左手へ。
江ノ電に乗ることを予定していなかったとしても、鎌倉駅から歩くよりは断然近いので、一度乗ってみて、その懐かしさに触れてみるのも鎌倉観光の醍醐味かもしれません。