(環境のこと)
鎌倉に移り住んではや20年が過ぎていた。
鎌倉の日常は、日々表情が「くるくる」と変わるので、未だに毎日が新鮮で、まるで住んで間もないかのような錯覚に陥ることもある。
「鎌倉ってステキだなぁ」
鎌倉で大切にされてきた自然に触れるたび、そう思う。
中でも一番強くそれを想うのが、夕方、サンセットタイムかもしれません。
鎌倉の夕焼けはそれはそれは素敵で、言葉に言い表すことが難しい。
オレンジ色のまぁるい太陽、すぐそばには「もさもさ」とした「江ノ島」がそっと寄り添うように存在する。
この辺りの住宅地や山々、どこの高台からもよりよく望める「富士山」。
「富士山」はくっきりと暗い稜線を描きながら、背後に沈みゆくおひさまとピンク色に染まったグラデーションの空とのコンビネーション。
最高。
毎日面差しの異なる空模様に、「あぁぁ」ウットリとする私がいるのです。
(夜の家)
デッキや2階のバルコニーから望む「富士山」、階下を見下ろしたときの日本庭園。
フルリノベーションを施した新築ばりの爽快感、なんといってもハイレベルなデザイン。
どれもとても素晴らしく、この家を選んで良かったなと思う最大のポイントでもある。
でも実はこの家の真のポイントは、「夜」なんです。
陽が落ちて、辺りが暗くなると柔らかい灯りが「ポッポッ」と灯り、「くねくね」とした木々の身体を照らす。
そのなんとも幻想的な雰囲気が漂う感じが、アダルトでカッコ良いのです。
「ぼんやり」とした月明かりと、室内からこぼれる灯り、そして「ホワホワ」したお庭の灯りに包まれて過ごす。
春、あちらこちらで花開く甘い香りを「ふんふん」楽しんだり。
夏、デッキに腰を掛け、七輪の炭火で「じゅうじゅう」お肉や魚を焼いたり。
秋、お団子とススキを飾って、大人は日本酒でお月見をしたり。
冬、「ハラハラ」と空から雪が舞ってきて、私の手の中で「シュッ」と夢のように消えたり。
四季の移ろいを肌で感じて、心地よく溶け込む。
自分がその一部となるその幸せを、より感じるのです。
(内観)
玄関の扉を開けると私をお出迎えしてくれたのは、重厚感いっぱいの「ぼこぼこ」と凹凸のある黒い石のような壁と、昔懐かしい板張りのコラボレーション。
その「どん」とした迫力に衝撃を受ける。
見上げると吹き抜けのレトロな階段に、シンプルモダンなシャンデリアがスマートに仕上げてくれているのがかなり小洒落ていて。
きっと当時は高級だったんだろうという装いを残しつつ、それがレトロに変化してコンテンポラリーと上手く混ざり合い、こうしてハイカラで素敵なデザインが生まれているんでしょう。
間取りは3LDK+納戸、洗面やバスルーム、昔ながらの小ぶり感もあるがそれがまた可愛い。
新築と肩を並べるほど細部まで全て丁寧に手を入れて、リノベーションをし尽くしたと言っても過言ではないこちらの邸宅。
天井の有孔ボード、ダイニングキッチンに張られた大谷石、それらを引き立たせるようにところどころに効かせた黒にイカしたセンスが「きらり」と光る。
あちらこちらの扉を開けるたびに、「ワクワク」と期待が膨らんでいるのが分かるのだ。
「できればこの家を残してほしい。」
そう、両親からバトンを受けた大切な家を住み継ぐ。
幼き頃から自分と一緒に育ってきたこの家、大切な想い出はそっとそのままに、新しい息吹だけを吹き込んで、ここに新たに生まれ変わった、大満足の家。
そしていつか、私の息子たちもまた、自分達の手で息吹を吹き込んで住み継いでいくのかもしれない。
そうだったらいいなぁ。
1階のデッキに出て「ふわふわ」上手にシャボン玉を吹く子供達と一緒に、絵に描いたような白い雪を被った青い「富士山」を眺めながら、ぼんやりと考えていた。
(外観のこと)
湘南モノレール「西鎌倉」の駅から、緩やかな坂を見上げる。
「新鎌倉山交差点」。
パッと華やかでかわいらしいレモンイエローのミモザが咲き乱れる、鎌倉の老舗ケーキ屋さんを横目に、坂を「ずんずん」上っていくと、まるで天に届いてゆくかのような錯覚に陥る。
朝晩は、愛犬のおさんぽをするご近所さんたちの姿をよく見かけ、ポツポツとある小さな公園では子供たちが「わいわい」「きゃっきゃっ」と楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてくる。
歩くこと8分ほど、坂を上り切ったところで、今回ご紹介する邸宅に到着。
敷地面積209.59㎡(約63.40坪)のゆとりのある広さに、美しい日本庭園を設え凛とした軽量鉄骨のグレーのお家。
腕によりをかけて我がアールスタジオが、90%以上を造り替えリノベーションを施しました。
その昔、粋な時代を生きてきたこちらのお家の趣きも残しつつ、カッコよく生まれ変わった姿をお披露目です。
お問い合わせを心よりお待ちしております。