和服を纏った女将が「しゃなりしゃなり」と廊下を歩くのに私も自然と背筋を伸ばして続く。

大きな窓からは「ぽかぽか」と柔らかで暖かい陽の光が差し込み、なんとも開放的な空間が広がる広縁。

この部分があるだけで、溢れんばかりの風情が感じられ、お屋敷全体を広く見せてくれるのがありがたい。

その趣きはまるで老舗の高級旅館の佇まい。

なんとも言葉にしがたい、美しい古民家なのです。

窓の向こうに見える情緒豊かな和風庭園の「わさわさ」と生い茂る緑たちがうんと語りかけてくる。

穏やかな光を通す障子に和の心を奮い立たせる水墨画の掛け軸のかかった床間。

どこもかしこも私の心を掴んで離さない。

広縁に腰をかけて、日本庭園を望みながら美味しいお茶でも頂きましょう。

そんなこちらは昭和の著名な日本画家ゆかりの邸宅なんだとか。

うん、納得です。

こんな素敵な邸宅に身を置いていたならば、さぞかし筆は進んだことでしょう。

外観のお写真はこちら「お屋敷拝見」。

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