「わさささささささ〜」

わぁっと強く風が吹いて、辺り一面を埋め尽くすツバナが揃って揺れた。

青ガラスのように澄み切った空には細く白い筋の雲、見渡す限り麗しい緑が溢れる中に、ススキのような白い「ふさふさ」の綿毛を付けたツバナ。

その光景は、まるでジブリに出てくるワンシーンのようでなんだかこそばゆく、心地よく感じた。

トトロが出てくるんじゃないかな。

いいなぁ、こういうところ。

初めて訪れたというのに、なんとなく懐かしさも覚えて不思議な感じがする。

開放感たっぷりの大町の土地は、自然が豊かで鎌倉らしさ満点。

大町の良いところは、「鎌倉」駅に近いのにこれだけの自然を残しているところ。

子供たちにもこんなところでめいっぱい自然を堪能してほしい。

「大町好き」にはたまらないのです。

敷地面積は183.45㎡（約55坪）となかなかの広さをキープ。

きっとお庭もしっかり確保できるだろうから、縁側だって設られたりして。

夏の夕暮れはお庭とその向こうの緑を眺めつつ「カナカナカナ」神秘的なひぐらしの音色を聞きながら、冷えたビールを「キュきゅっ」と。

ひぐらしって、鳥だと勘違いされやすいけれど、実はセミなんです。

こんなふうにセミの声が癒してくれることってあるんですね。

生ぬるい優しい風が「さぁさぁ」と吹いて、少しだけ日差しを抑えてくれて。

子供たちは「きゃあきゃあ」はしゃいでは、庭に出した組み立て式プールの中へ、「じゃぼーーん」と何度も何度も飛び込んでいく。

跳ねた飛沫が夕日に「チラチラ」と反射して「ぴちゃっ」とこちらにも飛んできた。

ふふ、ひんやり冷たくって気持ちが良い。

この長閑な風景が日常である、ということが何よりの幸せ。

ずっとずっとこのままでいたいと願う。

「カナカナカナカナ」

まだまだ遠くでひぐらしは鳴いている。

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